ワーママ弁護士奮闘記in東京

仕事と子育てに奮闘する、ワーママ弁護士のブログです。生きてりゃもう御の字。

弁護士だから言える、それでも私が専業主婦にならない理由

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4月に復職してもうすぐ4ヶ月。

正直に言いますが、確実に週に1回は、仕事辞めたいと思っている(まあ妊娠前もそんなもんだったかもしれないけれど)。

 

復職したら仕事がなかったというのは、前書いたところですが、

www.workingmamalawyer.work

 

あいかわらず、しょーもない仕事しか振られない、でも、娘はしょっちゅう体調を崩し、お迎えコールが鳴り止まない中キツイ仕事は受けられない、しかもそのしょーもない仕事でミスをして、もう私なんて働かない方がいいんじゃないかとか、一通りぐるっと落ち込みました。

 

かわいい盛りの娘と離れて、朝から晩まで他人に預けて、でも仕事で成果も出せず、母としても職業人としても中途半端で、「仕事辞めたいな…」と心折れそうになりまくっても、それでも、やはり仕事はやめてはいけない、専業主婦になってはいけない、その理由はズバリ、

 

「専業主婦は離婚の時リスキー過ぎる」

 

これにつきます。

 

  

離婚は、別居期間を重ねれば、いつかは成立してしまう

夫が離婚してくれと言い出しても、妻がこれを拒否すれば、ひとまずは離婚は成立しません。

 

それでも夫がどうしても離婚したかったら、どうしたらよいのか?

答えは、別居期間を重ね、その上で離婚調停・訴訟を起こせばよいのです。

 

別居期間を何年重ねればよいかは、それぞれの事案によります。

例えば、離婚を希望する夫が浮気をしていたら、浮気をしていない場合よりも長い別居期間が必要です(有責配偶者)。

そうだとしても、遅かれ早かれ、大概のケースでは、別居期間を重ねて離婚調停・訴訟を起こせば、どんなに妻が離婚を嫌がったとしても、裁判所は離婚を認めてしまうのです。

 

離婚で夫からもらえるお金は少ない

離婚で夫からもらえるお金は、

・結婚後の夫婦の財産の半分(財産分与)

・子どもがいれば養育費

・浮気やDVがあれば慰謝料

・年金分割

 

養育費は、夫の収入、妻の収入、子どもの年齢・人数で、機械的に決まります。

養育費には、妻の生活費は含まれておらず、その額はとても少ないです。

弁護士向けのアプリなのですが、「弁護士虎の巻」というアプリの「民事」「養育費計算」コーナーで計算してみてください。 

弁護士虎の巻/東京弁護士会

弁護士虎の巻/東京弁護士会

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きっと、こんな額では子どもは育てられない!と思うのではないでしょうか。

 

専業主婦でキャリアにブランクがあると、良い条件での再就職は難しい

悲しいことですが、専業主婦をしていて、キャリアにブランクがあると、良い条件での再就職は難しいのが現状です。

それでも若ければまだ良いのですが、熟年離婚ともなると、ますます再就職するのは困難になります。

年を取り、頼りの夫からは別れを告げられ、仕事はなく、収入は年金だけ…厳しい老後に絶望するのも無理はありません。

 

専業主婦の離婚は、経済的に厳しい!

つまりまとめると、

・どんなに妻が嫌がっても、夫が望めばいつかは離婚できてしまう

・離婚でもらえるお金は少ない

・再就職は厳しい

ということで、専業主婦が離婚すると、経済的にかなり厳しい状況に置かれてしまうのです。

 

この点をよくわかっていなかった専業主婦の妻が、離婚事件で、怒り狂い絶望するのを何度も見ています。

これまでどれだけ夫を支えてきたか、家族のためにがんばってきたか、よくわかります。

自分が家庭に入って家事育児を一手に引き受けたからこそ夫は仕事に専念できたのだ、その通りです。

でも、離婚してしまえば、夫婦は他人。私としても辛いけれど、それが「専業主婦が離婚する」ということです。どうしようもありません。

 

人の気持ちはコントロールできない

どんなに努力して、毎日美味しいご飯を作り、家をきれいに掃除して、身なりを美しく保っても、ある日突然、夫の気持ちは離れてしまうかもしれない。人の気持ちは、こればっかりはコントロールできません。

 

逆に、どーーしても夫が嫌いになってしまって、別れたくてたまらなくなったとき、経済的な理由で離婚に踏み切れないのも悔しい。

 

辛く悔しい思いをしている専業主婦妻を幾度も目の当たりにしているので、私は「あー仕事辞めたい」と思っても、なんとか踏みとどまっているのです。

 

仕事を通して自分も成長したい

林真理子の「野心のすすめ」という本に、こんなことが書いてあります。


「人間が成長するのは,なんといっても仕事だと思うんです。
仕事とは,イヤなことも我慢して,他人と折り合いをつけながら自己主張していくことでもある。
ずっとその試練に立ち向かい続けている人は,人間としての強さも確実に身につけていきます。

家庭生活や子育てで人間が成長するということ自体は否定しません。
しかし,それは仕事での成長の比ではない。
子どもを生んだ人が『子育てで人間的に成長しました』と言うのは単なる自画自賛だと思いますし,私は信用していません。
仕事でイヤなことにも耐えていく胆力を鍛えていれば,子供が泣いたくらいでうろたえない人間力は自然に身についているのです。

世の中は理不尽なことで溢れていて,自分の思い通りになることなどほとんどありません。
だけど人間は努力をしなければならない。
それを社会で働くことで学んでいる。
仕事から逃げ出して主婦になった人が,子育てで成長しようなんて目論んでいるとしたら,あまりにも自分に甘いんじゃないかしらと思います。」

野心のすすめ (講談社現代新書)

野心のすすめ (講談社現代新書)

 

 

 こんな世の女性から大反発を食らいそうなことをズバッと書いちゃうんだから、林真理子はやっぱりスゴイ…。

そして、私はこの林真理子の意見に全面的に賛成で、それも私が仕事を辞めずにふみとどまれる理由の1つになっています。

 

子育てはいつか終わる、その後も人生は続く

子どもの成長速度ってすさまじい。

さっきまでできなかったことが、いつのまにかできるようになっている。

そして、私もそうだったように、親以外の世界がどんどん広がって、あっという間に親の手を離れていってしまう。

20年なのか、30年なのかわからないけれど、子育てはいつか終わってしまうけれど、その後も人生はまだまだ続く。

子育てが終わってしまっても寂しくならないように、家族という柱の他に、仕事という柱を残しておきたい。

 

自分がやっていない・できないことは、子どもにやれって言えないでしょう。
仕事を通して、自分自身、努力と成長を重ね、娘にも気後れすることなく、がんばれって言いたい。

 

子育ても仕事も、焦らず、細く長く、楽しみたいです。

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